三階建ての家のメリット・デメリット!追加でかかる費用は?
狭い土地でも快適な家を建てたいと、三階建ての家を検討される方も多いのではないでしょうか。土地を最大限活用できるのは三階建ての大きなメリットですが、三階建ての建築費用は高いのか、追加でかかる費用、そして費用以外で心配すべきポイントについてわかりやすくまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
三階建ての家のメリット・デメリット
都市部や駅近など、土地代が高い地域に家を建てたい場合、建物を縦に伸ばすことで居住スペースを多く取れる三階建ての家は魅力的です。まずは、三階建ての家のメリット、デメリットをご紹介します。
代表的なメリットは、狭い土地でも充分なスペースを確保できるという点です。二階建ての家に比べて延べ床面積が1.5倍になるので、趣味の部屋を作れたり、テラスや庭などの空間を作れたり、収納スペースを充分に確保できたり、理想の間取りを叶えることができます。さらに、高さを活かした眺望を楽しめたり、高い位置に窓を作ることで日当たりがよくなり室内を明るくできたりもします。また、主な生活フロアを二階以上にすることで、台風や豪雨などの水害対策にもなります。
一方、デメリットは、階段が増えることで家の中の移動に不便を感じやすくなるという点です。各フロアに生活動線が分かれるので、洗濯物を干して、掃除機をかけて、など一連の流れの中だけでも階段を行ったり来たりすることになります。そして、三階建ての家には耐震性の高い建材や構造が必要となるため、建築費用も二階建てに比べると割高になります。建物の費用だけで考えると、二階建ての家より三階建ての家の方が約2〜3割高くなるといわれています。
なぜ三階建ての家は高くなるのか
三階建ての家は建物代が割高になる上に、二階建てにはない構造計算書の提出や地盤改良費など、追加の費用が発生します。
構造計算
まずは、構造計算のための費用がかかります。家には重力に加え、強風や地震など外部からの負荷がかかります。外部からの負荷だけでなく、床の上を人が歩く度に床材などに圧力がかかります。建物にはそうした外部や内部からの圧に耐えるための強度が必要で、それをあらかじめ計算しておく必要があります。一般的な木造3階建ての構造計算にかかる費用は20万円程度、同じ規模のコンクリート造では木造の約1.4倍が相場となっています。
地盤改良費
三階建ての家は建物そのものの重量が増えるため、それだけの重さに耐えられる地盤強度かどうかを確かめる必要があります。もしも地盤が充分に強くないと判断されると、その地盤を改良する必要があります。地盤改良をする場合、地盤の表層部分だけの改良で済む場合もありますが、さらに深い層までの改良工事が必要になる場合もあります。
改良費が高額になるか否かは、建物よりも地盤の状態によるところが大きいですが、地盤改良工事にかかる費用は少なくとも50万円が一般的で、状況によっては100万円以上必要になる場合も考えられます。地盤改良が不要な土地をあらかじめ見分けられたらいいのですが、土地の強度は地盤調査をしてみないとわからないのが現状です。
費用以外で心配すべきことはある?
三階建ては建築費用だけで見ると負担が大きく感じられるものの、土地代を含めて考えるとやはり経済的な選択肢となる場合もあります。ここでは、三階建てを検討する上で、費用以外で心配すべき点についてご紹介します。
階段の危険
三階建ての階段は幅が狭かったり、斜面が急だったりするので、転んだり滑り落ちたりする危険があります。とくに小さい子どもや高齢者の方は注意が必要です。対処法として、手すりや滑り止めの設置をおすすめします。さらに近年では、住宅用エレベーターを取り付けているケースがありますが、その分費用がかさんでしまいます。
資産価値
三階建ての家の中には、土地の面積が15坪程度のものも少なくありません。こうした小さい土地では建て替えの際、間取りの選択肢が限られてしまいます。そのため有効な土地活用をしにくく、資産価値がどうしても低くなります。子どもたちに資産を残したい、将来土地の売却を考えているという方には、あまり狭い土地に三階建てを建てることはおすすめしません。
間取りの制約
三階建ては、二階建ての家より約1.5倍の耐震性能が必要になります。つまり、間取りにも制約が出てきます。具体的な制約の代表例は、階段はすべてのフロアの同じ位置に設ける、吹抜け面積はある一定以下にする、最も負担のかかる1階は構造壁が多くなるので開口部が少なくなる、などです。これらの制約の中で、床面積を広くするためには、階段下を収納にしたり、廊下をなくしたりなど、間取りの工夫が必要です。
今回は三階建てのメリット、デメリット、建築費用が高くなる理由、費用以外で注意すべき点についてご紹介しました。三階建ての家は限られた土地でも間取りの工夫で快適な空間を作ることができます。一方、日常生活の中で導線が複雑になったり、さまざまな費用がかかったりするので、家には何を一番に求めるのか、一緒に住む家族としっかり話し合うことが大切です。