事前に知っておきたい!住宅ローンの種類と手続きの流れ
住宅を購入しようと考えたとき、真っ先に考えるのは住宅ローンのことだという方も多いのではないでしょうか?住宅ローンは長期の契約になり借り入れも高額となるため、慎重に検討したいですよね。そこで今回は、住宅ローンの種類と手続きの流れについて詳しく解説します。住宅ローンにはいろいろな種類があるので、しっかり確認しましょう。
住宅ローンの種類
住宅ローンの種類は金利の種類や借入先、返済など方法がそれぞれ異なります。まず金利の種類について見ていきましょう。
■固定金利
固定金利とは、住宅ローンの借り入れを行った時点から金利が一定に固定されているタイプです。金利が一定で毎月の返済額が完済まで変わらないことから、長期にわたって家計管理がしやすいといえます。ただし、借入後に金利が経済情勢の動向などで低下することはあっても、固定金利で設定された利率は一定をキープし完済まで返済価格は変わりません。金利が低い時に固定金利タイプを住宅ローンで組めば、低金利で返済を続けていくことができます。
■変動金利
変動金利とは、住宅ローンを借入した期間中に適用されている金利が変動するタイプです。変動金利は他の金利タイプと比較すると、適用金利(店頭金利から割引や優遇後、実際の住宅ローンを借りる時の金利)が低い場合が多く利息が少ないため、月々の返済額を抑えることができます。
しかし、変動金利は金利の変動があれば大きな影響を受けます。借入期間中に金利が上昇してしまえば、毎月の返済額や完済までの総返済額が膨らんでしまいます。金利が上がらなければお得に活用できますが、金利情勢によって返済額が当初よりも高くなってしまうケースがあることを把握しておきましょう。
■公的融資
公的融資は公的機関が貸し出す住宅ローンをいいます。この場合、国や自治体を通してお金を借ります。公的融資は「提出書類が多く大変」「手続きが面倒」といった声をよく耳にします。しかし、金利が低く設定されていることや、無担保で融資を受けられることなどもあり、少ない負担で融資を受けることができます。公的融資を受けられる状況であれば、優先して利用しましょう。
■民間融資
民間融資とは銀行や信用金庫などの民間企業が行う融資です。銀行や信用金庫は全国に多くの支店があるため話を聞いてくれる企業は多く存在しますが、審査が厳しく金利も高めです。最後に住宅ローンの返済方法は「元利均等返済」と「元金均等返済」があります。
■元利均等返済
元利均等返済は元金と利息の合計が均等ということ。わかりやすくいうと、毎月の支払額が一定の返済方法です。毎月決まった一定額のため、出費も把握しやすく返済計画も立てやすいのが特徴となります。デメリットは元金均返済と比べると返済額が多くなることです。
■元金均等返済
元金の返済が均等で、毎月の元金に利息を上乗せして返済を行う方法です。毎月の返済額が多くしばらくは負担が大きくなりますが、返済していくごとに少なくなっていきます。元金の返済が早く進むので総返済額が少なくなるのです。金融機関によっては元均一等返済を取り扱っていないケースもあるため、注意しましょう。
住宅ローンで審査されるポイント
ここからは住宅ローンの審査が行われる手順と審査されるポイントについて説明します。
■住宅ローン審査が行われる手順
住宅ローンの審査は事前審査、本審査の2段階の審査が行われます。事前審査は家を購入手続きと並行に実施され「住宅ローンの借入れができるかどうか」を審査します。審査されるポイントは、購入予定の物件や契約者の年収、職業などです。そこから経済力や返済能力を見極めているようです。
審査期間は金融機関によって異なりますが、数日~1週間程度で結果が出ます。事前審査が通れば、物件の売買契約を結び本審査を受けられます。本審査は勤務先の事業内容や勤続年数、勤務形態、契約者の健康状態、ローン完済時の年齢などを審査されます。本審査の審査期間は約1週間~2週間、長くなれば1ヶ月程時間がかかるケースもあります。
■審査に必要な書類
住宅ローン審査には以下の書類が必要になります。
・源泉徴収票(自営業は確定申告書)
・売買契約書
・重要事項説明書
・物件のチラシやパンフレット、図面
・登記簿謄本
・印鑑証明書
・住民票
・課税証明書
・身分確認書(運転免許・パスポート・健康保険書・マイナンバー)
審査のポイントとは?
審査をクリアする人、落ちてしまう人では何が違うのでしょうか?考えられる原因をまとめました。
■年齢や健康状態
住宅ローンを組む時には、銀行の多くが融資の条件として団体信用生命保険の加入が必要とされます。この団体信用生命保険は、住宅ローンを残したまま契約者が亡くなってしまった時に、ローン返済に充てられる仕組みになっています。生命保険に加入する際には病歴や既往症の有無を告知することが義務付けられています。健康状態が悪く病歴があれば加入はできないため、ローンを組むことはできません。
また年齢も大きな審査基準になります。借入時の年齢は35年ローンで44歳が上限になります。これは完済時の年齢に80歳をリミットにしている銀行が多いためです。また会社員であれば定年もあり、若いうちに安定した収入で返済計画を立てることが望ましいという理由から、40歳を超えると審査は厳しくなってくるようです。
■信用情報
これまでの借入れや支払い、クレジットの使用履歴などを信用情報といいます。この信用情報から、過去に返済に延滞などがないか厳しくチェックします。61日以上キャッシング返済やクレジットカードの引き落としが延滞すると、信用情報には異動と記載が残ります。この異動記録が残っていると、まず審査は通らないでしょう(異動記録は支払いを行ってから5年で消滅します)。
過去の記録が不安な方は、審査を受ける前に信用情報を取り寄せて確認しておきましょう。注意しなければいけないのは、事前審査と本審査までの期間は新たにローンを組んだりキャッシングや消費者金融を利用したりすることを控えることです。住宅ローン審査では借入や支払いをとくに厳しくチェックしています。
■担保評価
物件の資産価値を保証会社が評価します。物件購入後に住宅ローン返済が不能になった場合、競売などで売却することが可能であるかを審査します。一般的に、担保評価は将来地域が開拓され発展するようなことがない限り、購入金額よりも低くなってしまうでしょう。
今回は住宅ローンの種類と手続きの流れについて紹介しました。住宅ローンは大金を借入し長期にわたって返済を行うため、審査が厳しいのは当然です。ローンを組む前に希望借入額に無理はないか、他に返済中のローンはないかなど、自分自身を見直すことで解決策が見えてくるでしょう。住宅ローンの種類や審査が気になる方は参考にしてみてください。