快適で住みやすい注文住宅を建てるために4つの動線に注目しよう!
「家は、3回建てて初めて満足いくものができる」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。しかし、可能な限り一度で住みやすく満足できる注文住宅を建てたいものですよね。今回の記事では、快適な生活を送るために考えるべき4つの動線をご紹介します。これから住宅を設計する方はぜひ参考にしてください。
住み心地を左右する「動線」とは
はじめに「動線」とは、建物の内部、または外部から内部における人と物の動きのことを言います。家の間取りを考える時に非常に重要なもので、設備や家具の位置を決めるためにも大切です。動線がきちんと練られていないと、生活する上で不便を感じる場面が出てくることでしょう。
家族構成や生活スタイルによって、各家庭の最適な動線は異なります。たとえば、来客が多い家庭なら玄関からリビングや客間に移動する間にキッチンやパントリーが見えてしまうと、生活感をさらけ出してしまうことになります。洗濯物を干す場所は洗濯機の近くにすれば、洗い終わったものをすぐに干せるので効率的です。これが「動線」を考えるということです。
4つの動線と違いについて
実際に間取りを考えるにあたって考えるべきポイントは、4つの動線です。諸説ありますが、この記事では家事動線、生活動線、衛生動線、来客動線をご紹介します。順番に見ていきましょう。
家事動線
料理や洗濯、掃除など家事のしやすさに関わります。キッチンや洗面所など、一つの場所で完結せず色々な家事があります。キッチンにいながら子どもの様子が見られる、買ってきたものをすぐに片付けられる、干した洗濯物を取り込んだあと、すぐに収納できる、といった同時進行で効率よく家事をこなせる動線です。
生活動線
日常生活を便利に送るために大切です。朝の出発準備や帰宅してからすぐに片付けや手洗いができること、帰宅が遅くなった時に子どもが寝ている部屋を通らずに自分の部屋に行けること、などがあげられます。リビング、トイレ、洗面所は頻繁に出入りするスペースです。離れすぎていたり、複雑な間取りで行き来しにくかったりする場合は室内の移動がストレスになる可能性があります。
衛生動線
お風呂場、トイレ、洗面所などの水回りの動線です。外から見えにくくすること、リビングやダイニングから見えないような位置に設計することがポイントです。においや音が生活空間に聞こえないようにする、来客時でもトイレやお風呂を使いやすくする、といった工夫がある動線になっていると便利です。
来客動線
外からお客さんが通る動線です。玄関から入って、廊下からリビング、または客間などに移動する時に家族のプライバシーを守る間取りにするのが理想的です。家事動線や衛生動線となるべく重ならずにすむと、人目に触れたくないものを見られずにすみます。どうしても普段生活する家族目線で間取りを考えがちですが、一度お客さん目線でどう動くか考えてみましょう。
適切な数・位置の収納を用意することも大切
それぞれの目的にかなった動線を考えるのは重要なことですが、適切な収納を用意するのも同じくらい大切です。たとえば、玄関で脱いだ靴はシューズクローゼットにしまい、食料品はキッチンのパントリー、といったようにそれぞれ使う場所に使うものを収納しているご家庭が多いと思われます。その方が必要な時に出し入れしやすく、使い勝手がいいからです。
収納が足りない場合はもちろん、収納スペースがたくさんあったとしても使い勝手が悪ければ片付けるのが億劫になってしまいがちです。家族皆が使うものは皆が取りやすい場所に、物を使う場所としまう場所はなるべく近づける、同じ動線上に収納を配置、などすると片付けやすく効率もよくなります
回遊動線を取り入れると便利
さまざまな動線がありますが「回遊動線」と呼ばれるスタイルは最近人気が高い傾向にあります。部屋やスペースを移動する時に行き止まりがなく、複数の場所を回遊できる間取りです。ウォークスルークローゼットを取り入れる、動線上に収納を配置する、などは移動するついでに物の出し入れができて効率的です。主に家事動線、生活動線上に便利なことが多いでしょう。
まとめ
いかがでしたか。今回は、注文住宅を建てるにあたって、ぜひ考えておきたい4つの動線をご紹介しました。家事動線、生活動線、衛生動線、来客動線の4つは、快適な生活を送る上で重要なポイントです。家族団らんかつプライバシーが守れること、収納が適切な場所に過不足なく用意されていること、ストレスなく生活できることが実現できれば快適で住みやすい住宅となるでしょう。住宅の面積や予算には限りがあるため、実際に設計する際はすべてを両立させるのは難しいことがあります。しかし、設計士と綿密に相談する、優先順位を決めるなどして妥協せずに理想の住宅を目指しましょう。一生を過ごすかもしれない大切な家づくりなので、成功させるためにぜひ参考にしてみてください。